加齢や体質が原因となることが多い緑内障は、早期発見・治療で視力を守ることが大切です。今回は、眼科の浅野先生にお話を伺い、治療方法や知っておくべきポイントについて教えていただきました。
セコメディック病院 眼科
浅野 利彰(あさの・としあき)
緑内障は視神経(目から入ってくる情報を脳に伝達する神経)が少しずつ障害され視野が狭くなっていく病気です。40歳以上で20人に1人、60歳以上では10人に1人が発症すると言われています。末期まで自覚症状がなく進行し、最終的には失明する可能性もあるため、早期発見・治療が大切です。
加齢や体質の影響で、目の中の房水(ぼうすい)の流れが悪くなったり、排出がスムーズにいかなくなるからです。その結果、眼の中の圧力(眼圧)が高くなります。眼圧が高い状態が続くと、目の奥にある視神経に負担がかかり、次第にダメージを受けます。
緑内障のイメージ
目の中には房水という透明な液体があり、栄養を届ける役割をしています。この液体が眼の中の圧力を適度に保つことで、私たちがよく見える状態になります。
まずは目薬で眼圧を下げます。緑内障はほぼ一生目薬が必要ですが、眼圧が下がらない場合や、目薬が難しい場合はレーザー治療がおすすめです。
レーザー治療で房水の排出部分を掃除します。この治療は日帰りで痛みもなく5分ほどで終了します。緑内障は診断された時点でほぼ一生目薬を続けなければならない病気ですが、この治療により、目薬の回数を減らせる可能性もあります。
緑内障は加齢や体質によって起こることが多いため、特別に気をつけるべき点はありません。ただし、定期的な目の検査を受けることで早期発見が可能になり、視力を守ることができます。
とにかく早い段階で発見し、治療しましょう。人間ドックや健康診断で分かることがあります。検査で下記の項目をチェックしてみてください。
緑内障の検査 | ・眼圧検査 ・眼底検査 ・視野検査 |
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