骨粗しょう症による脊椎(せきつい)圧迫骨折の治療法「BKP手術」が注目されています。従来の治療との違いや特徴について整形外科医長の黒川壽久(くろかわ・としひさ)先生にお話をうかがいました。
セコメディック病院 整形外科医長
黒川 壽久(くろかわ・としひさ)
年齢を重ねると骨の密度が減り、もろくなります。転んだ時や転んでいなくても、日常の動きで背骨が体重を支えきれず、骨折してしまうことがあります。特に閉経後の女性は、骨粗しょう症のリスクが高まり、骨が弱くなるため注意が必要です。このような骨折は「脊椎圧迫骨折」と呼ばれ、生活に大きな影響を与えます。
以前はコルセットを数か月装着し、骨の回復を待つ方法や、手術をした場合でも痛みや身体への負担が大きく、長期間の入院とリハビリが必要でした。
「BKP手術」は、つぶれた骨に骨セメントを注入し、安定させる手術です。手術は30分ほどで終わり、1cm弱の小さな傷口が2か所だけで身体への負担が少ないのが特徴です。
術翌日より痛みは半分以下となり、早期の離床が可能になります。1~2週間程度で退院する方もいます。
脊椎圧迫骨折があり、痛みで動けない方やコルセット治療でも痛みが治まらず、生活に支障を感じている方が対象です。
この手術で翌日から痛みが軽減することで、リハビリが進み、早い回復が期待できます。骨粗しょう症や脊椎圧迫骨折でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
※文中の内容は2024年11月時点のものです。