ノロウイルス感染症~下痢・嘔吐・腹痛

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健康コラム

ノロウイルス感染症~下痢・嘔吐・腹痛

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セコメディック病院 
感染管理室

ノロウイルス感染症とは?

乳幼児から成人までの幅広い年齢層に、胃腸炎を引き起こすウイルスです。
冬季(毎年11月~翌年の4月頃)にかけて流行しますが年間を通して発生しています。

どんな症状?
•嘔気、嘔吐、下痢が主症状ですが、腹痛、発熱、倦怠感を伴うこともあります。
•乳幼児や高齢者、体力が弱っている方の嘔吐、下痢による脱水や窒息には注意が必要です。
•ウイルスは、症状が消失した後も3~7日程度(長期の場合もある)は便中に排泄されます。
•潜伏期:12時間~48時間

ノロウイルスは症状がなくなった後も長期間にわたって便から排菌されることがあります。

症状がなくなった後も1か月程度は、トイレ後の手洗いを疎かにすると家族に移す可能性があります。

どこから発症するの?

•ノロウイルスに汚染された牡蠣などの二枚貝を生食または加熱不十分で食べた時

•感染した調理者等を介して汚染された食品等からの感染

感染性が非常に強く注意が必要

ノロウイルスは感染性がとても強く、多くの菌やウイルスは1,000個から10,000または1億個入ると症状が出るのに対し、ノロウイルスは100個以下でも感染し症状が出ます。

そのため、食中毒や感染が起こると一気に広まります。

乾燥する季節が注意のポイント

吐物や排泄物が乾燥すると空気中にウイルスが漂い、空気感染します。

また、汚染された手指を介して感染が拡大します。

手指消毒と食品の加熱
•排泄物の処理の後、調理や食事の前、トイレの後には手指消毒を必ず行いましょう。
•擦式アルコール手指消毒では効果が乏しく、石けんと流水手洗いが効果的です。
食品は中心温度が85~90℃で90秒以上加熱することで予防できます。

ノロウイルスの治療

ノロウイルスの増殖を抑える薬剤はなく、整腸剤や吐気止めなどの対症療法が中心となります。(下痢止めの服用は避けます)

ノロウイルスの検査はしない?

原則検査はしません。現段階ではノロウイルスに対する抗ウイルス剤がないため、ノロウイルスが病原体であると確定したからといって、治療法が変わるわけではありません。ほかの胃腸炎と同様に、対症療法によって自然治癒を目指すのが標準的な治療となることから、検査が行われないケースが多いです。3歳未満と65歳以上は検査を実施します)

吐物の処理は外から内へ

乾燥するとウイルスが舞い空気感染となりますので、乾燥する前に処理する必要があります。

アルコールやクリンキーパーなどは効果が低いため塩素系薬剤であるハイターやピューラックスを使用します。

ピューラックスは希釈する必要があるので、急な時にはハイター1000を使用してください。吐物は目に見えていなくても2m程度は飛び散っています。広範囲に消毒するようにしましょう。

まず、吐物をぬぐい取りますが、広範囲に広げないよう、外から内に向かってぬぐい取っていきます。

その後消毒となりますが、ぬぐい取った時と同様に外から内へ消毒をしていきましょう。吐物が残っていたりすると集団感染の原因になるので注意しましょう。

またぬぐい取った吐物も乾燥すると空気中にウイルスが舞うためしっかり密閉してください。

吐物の洗濯方法

•熱湯で洗う(80℃・10分等)
•0.1%次亜塩素酸ナトリウム液に30~60分間つけおき消毒

洗濯ができない場合は
•吐物や・排泄物をぬぐいとり、スチームアイロンを2分程度あてて熱消毒という方法もあります。

 (自宅のカーペットなど)

下痢・嘔吐などの症状がある場合は、医師へご相談下さい。

※内容は2024年9月時点のものです。

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