検査科のご案内

臨床検査とは

医師が病気を診断し治療していくためには、患者様の状態を正しく把握する必要があります。体の状態を知る為には、その変化を捉えることが重要です。医師は様々 な判断材料から情報を整理し診察していきます。この判断材料のひとつに臨床検査があります。血液や採取された臓器の変化は、物理化学的手法を用いて分析され、 客観的な検査情報として医師に提供され、診断の一助となります。
臨床検査は、病気の診断の他にも治療方針の決定、治療の経過観察、健康診断など、あらゆる場面で活用されています。

臨床検査技師とは

医師が適切な診断や治療を行なうには、これらの臨床検査を正確に評価報告して情報を提供する必要があります。 この専門的な技術と知識を持つ国家資格者を臨床検査技師と呼び、検査科のスタッフがこれに相当し、実際の業務を行なっています。

基本方針

地域の急性期医療に対応した検査情報を正確・迅速に提供し、患者様が安心して満足いただける質の高い業務体制を構築します。 検査科はこの基本方針を基に、他職種のスタッフと共に患者様の診療を支援いたします。

業務内容

血液や尿など体内から採取した検査材料(検体)を対象に分析検査する「検体検査室」と患者様に直接触れて検査を実施する「生理機能検査室」に分かれ、自主運営方式で24時間緊急検査に随時対応しています。

検体検査室の業務

1.特徴

外来採血の実施

1日150人前後の採血を臨床検査技師が中心となって看護師と協力しながら実施しています。採取段階から臨床検査技師が携わることで、不適切な検査項目の チェックができること、必要最小限の採血量を把握しているため患者様の負担軽減に繋がること、速やかな検体管理ができること等の利点があります。

     

診察前検査に対応

基本的な項目は、検体到着後1時間で報告できる体制を整えています。
医師は結果を確認してから診察することができるため、重症度や治療効果判定を速やかに行なうことができます。

早朝採血結果は9:00までに報告完了

早朝に採血採尿した検体は、7:30までに技師が回収し、医師が出勤する時刻までには報告を済ませています。病態に変化が生じた場合でも、速やかな処置へ移行することができます。“見えない安心”がここにあります。

    2.実際の業務

  • 一般検査「アークレイ AX-4380、シスメックス UF-1000i」

    尿、便、髄液、体腔液(胸水、腹水、関節液)など、様々な材料を対象に検査を行っているセクションです。化学的成分の測定や、顕微鏡での細胞成分の解析、寄生虫の鑑別など幅広く行っています。

  • 血液検査「シスメックス XT-4000i 2台」

    貧血や感染症の兆候はないか?白血病、出血傾向など主に血液疾患の病態解析、診断、治療効果の判定に必要な情報を提供するセクションです。末梢血液の血球数算定(白血球数、赤血球数、血小板数、ヘモグロビン量など)とその血球形態を観察しています。

  • 凝固検査「シスメックスCS-1600」

    生体内の止血機構の状態を把握するための凝固機能測定(プロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間など)と線溶機能測定(FDP、Dダイマーなど)を担っているセクションです。「血液さらさら」にする薬を飲んでいる患者様の投薬量を決めるために行うこともあります。

  • 免疫化学検査「シスメックス HISCL2000i」

    ヒト血清中には100種類以上の蛋白質が存在しています。これらの蛋白質は、膠質浸透圧の維持や微量物質の運搬、生体防御など多くの役割を担っています。 院内では、甲状腺ホルモン、心不全マーカーNT-proBNP、前立腺腫瘍マーカー、肝炎ウィルス関連などの検査を担っているセクションです。

  • 生化学検査「ベックマンコールター自動分析装置 AU680 2台」

    血液を遠心分離して得られる血清成分を主な検査材料として、その中に含まれる酵素活性や蛋白濃度を定量分析します。栄養状態や肝胆道・腎機能、脂質・糖代謝などの「今の状態」を把握し、体のどの部分にどの程度の異常があるのかを特定し病気の診断や治療効果の判定に必要な情報を提供するセクションです。

  • 輸血検査

    手術や出血、血液の病気等で輸血が必要になった場合に、安全な輸血をするために血液型検査や他の血液型に対する抗体の有無を調べ、適合する輸血用血液製剤を確保・供給します。また、常に安全な輸血を行うために、輸血用製剤の保管と輸血業務全般の管理を行うセクションです。

生理機能検査室の業務

1.特徴

予約外飛び入り検査の多いことが、当院の特徴のひとつです。
特に超音波検査では、1日の検査件数のうち1/3前後が予約外のケースも少なくありません。状態が良くない時こそ検査は必要です。
学会認定超音波検査士が可能な限り飛び入り検査を受け入れ、柔軟に対応しています。

2.実際の業務

  • 心電図検査関連

  • ◇心電図検査「日本光電ECG-1550」

    心臓の筋肉が動く時に微弱な活動電流が発生します。それを波形で表示したものが心電図です。10~20秒程度記録し、波形の形状やリズムより、病気を読み取るのが心電図検査です。

  • ◇ホルタ―心電図検査「日本光電解析装置DSC-3300、記録器RAC-3103」

    携帯用の心電計で24時間の心電図を記録し、日常生活で症状と一致した心電図変化や無症状での心電図変化、睡眠中の心電図変化を検出するために行います。

  • ◇マスター心電図検査「日本光電ECG-1550」

    規定の階段を、決められた回数で昇り降りをし、心臓に負荷をかけ運動前と運動後の心電図を比較する検査です。

    ◇トレッドミル検査「Q-STRESS」

    自動で動くベルトの上を歩いたり走ったりして心臓に負荷をかけ、連続的に心電図や血圧の変化を見る検査です。

  • 超音波検査「東芝Aplio-400、Xalio、PHILIPS SONOS-5500」

    超音波というヒトの耳に聞こえない高い周波数の音を入射し、やまびこのように反射してきた信号の強度と時間から画像を構築する検査診断法です。臓器の大きさや形、動きを観察して、病変の有無・重症度・治療効果等を評価します。当院では、腹部・心臓・甲状腺・乳腺・頸動脈・下肢動静脈・シャント評価などの検査を行っています。

  • 呼吸機能検査「チェストHI-801」

    クリップで鼻をつまみマウスピースをくわえて、息を吸ったり吐いたりして肺に出入りする空気の量や速度を測定して肺の働きを調べます。

  • 聴力検査「リオン オージオメーターAA-M1C、インピーダンスオージオメーターRS-32」

    難聴を調べる検査です。左右片方ずつ、高い音や低い音を何種類か聞いていただき、難聴の程度を検査します。他にも鼓膜の動きを見る検査等も行っています。

  • 脳波検査「日本光電EEG-1214」

    脳は活動にともない、常に微弱な電波を出し続けています。その電気的な変化を頭部に付けた電極でとらえ、波形として記録したのが脳波検査です。けいれんや意識障害を起こした時やてんかんが疑われる時などに検査をします。

  • 神経伝導速度検査

    末梢の神経障害の有無、障害の部位や程度、範囲を知ることができます。  対象となる末梢神経を皮膚上で電気刺激し、その興奮の伝わり方(速度や振幅)を調べます。

  • 術中モニタリング

    手術時に起因する神経の障害を早期に検出し,術後の神経学的合併症の発生を最小限にとどめることを目的として実施されます。主に運動誘発モニタリング(MEP)を実施しています。

  • ABI/PWV

    腕と足の血圧の比較や脈波の伝わり方を調べることで、動脈硬化の程度を数値として表したものです。この検査で、動脈硬化(血管の老化など)の度合いや早期血管障害をみつける事ができます。

  • 患者様へのメッセージ

    私達は患者様が満足いただけるような臨床検査科の構築に努めていますが、患者様と直接触れ合う機会はそう多くありません。例えば心臓超音波検査で前回より心臓の働きが改善していたら、「治療が上手く効いているんだ!」と喜びを分かち合えます。採血で「前回よりも上手になったね、ありがとう」の一言でモチベーションは上がります。 接する機会が少ない分、お会いできる時を大切に患者様の声に耳を傾け、信頼関係を築いていきたいと思います。