ご挨拶

整形外科の担当診療範囲は脊椎及び四肢の運動器官に関わる保存的及び外科的治療です。 我々の施設は診療規模こそ大きくはないものの、骨関節の外傷治療だけでなく、頚椎症や頚椎後縦靭帯骨化症による頸髄症に対する除圧術、腰部脊柱管狭窄症や後弯変形、変性側弯症に対する腰椎除圧固定術や脊椎短縮術、変形性関節症や関節リウマチで難易度の高い症例に対する人工関節などの手術症例が豊富です。このほか、関節鏡手術、骨髄炎や外傷後の脚長不等に対する創外固定器を用いた脚延長や骨髄炎治療、バージャー氏病や帯状疱疹後神経痛などに対する脊髄硬膜外刺激電極治療など、基本から応用に至る実践的かつ高度な医療を行っています。 人工関節置換術などでは、自分の血液をあらかじめ貯めておいて手術の際に使用する自己血輸血も行っています。また、骨欠損の大きい人工関節置換例に対しては、院内倫理委員会の規定に従ったテロス(骨滅菌保存)システムによる骨バンクを用いて同種骨移植を行っています。 他の整形外科と異なる特徴としては、難治性の頚椎捻挫や胸郭出口症候群に対する保存的及び観血的な治療を行っています。他院で治療を受けていても、症状の改善が思わしくなく、頚部から上肢にかけての痛みやしびれが続き、原因がはっきりしないような症例、自律神経失調症状を伴う症例に対しても診断と治療を行います。

検査内容

◆骨密度検査 DXA法
骨粗鬆症は、鬆(す)が入ったように骨の中がスカスカの状態になることで骨の強度が低下し、骨折の危険性が高くなる病気です。当院では、骨密度検査においてDXA法(dual-energy X-ray absorptiometry)を用いています。2種類のエネルギーのX線を測定部位にあてることにより骨成分を他の組織と区別して、骨成分を測定する方法です。DXA法は、誤差が少なく、測定時間が短く、放射線の被曝量も少ないという利点があります。骨粗鬆症診断基準(2011年版)でもDXA法を用いて計測することが推奨されています。骨粗鬆症の早期発見早期治療が重要です。定期的な骨密度検査をお勧めします。

《骨密度測定装置の特徴》
 ◇極めて少ないX線を利用しているので、女性の方でも安心です。
 ◇着衣のまま仰向けにベッドに横になるだけで、痛みもなく簡単に測定できます。
 ◇とてもスピーディに検査できます。(測定する部位により異なります)
 ◇検査データは保存されますので、定期的な検査で、正確な診断が行えます。

治療実績(手術件数 部位別)

部 位 行為名 2014年度
(件)
2015年度
(件)
2016年度
(件)
3年間合計
(件)
全身 ORIF(観血的整復内固定) 237 277 289 803
抜釘術 47 58 55 160
骨折経皮的ピンニング 38 26 22 86
超音波骨折治療法 18 18 0 36
洗浄デブリードマン(壊死組織切除) 12 5 8 25
洗浄・デブリドマン 13 20 15 48
徒手整復 11 9 1 21
創縫合 9 9 8 26
皮下腫瘍切除術 7 10 12 29
末梢神経剥離術 11 2 0 13
UKA(単顆置換型人工関節) 4 7 2 13
切開.排膿 3 6 0 9
創外固定 0 2 2 4
開放性骨折部の洗浄、デブリドマン 1 3 2 6
骨腫瘍切除 1 0 1 2
関節切開排膿 0 1 1 2
軟部腫瘍切除術 1 1 0 2
経皮的ピンニング 1 2 0 3
創外固定抜去 1 1 0 2
脂肪腫切除術 1 2 0 3
骨部分切除術 1 0 0 1
脱臼整復 2 0 1 3
関節内腫瘤切除 2 0 1 3
偽関節手術 0 4 1 5
腱縫合術 0 2 6 8
腱移行術 1 2 0 3
皮下血腫除去 0 2 0 2
皮下異物摘出術 0 0 1 1
観血的徒手整復 1 0 0 1
骨内異物除去 0 0 1 1
矯正骨切り術 1 1 0 2
関節掻爬固定術 1 0 0 1
硬膜外血腫除去術 0 1 0 1
観血的整復 0 2 1 3
筋間腫瘍切除 1 0 0 1
筋内血腫除去 1 0 0 1
血腫穿刺 0 4 0 4
部 位 行為名 2014年度
(件)
2015年度
(件)
2016年度
(件)
3年間合計
(件)
頚部 頚椎固定術+骨移植 1 1 0 2
ハローリング装着 1 0 0 1
肩関節形成術 6 4 4 14
肩関節人工骨頭置換術 2 0 0 2
肩関節脱臼徒手整復 0 1 0 1
肩腱板縫合 1 0 0 1
肩非観血的授動術 0 1 0 1
胸郭 第1肋骨切除 7 6 8 21
胸椎固定術+骨移植 0 2 0 2
上肢 人工肘関節置換術 3 1 6 10
肘関節形成術+骨移植 0 1 0 1
手根管開放術 3 4 0 7
端断形成術 2 3 0 5
手関節固定術 1 0 0 1
手の軟部腫瘍摘出術 2 2 1 5
指節間関節固定術 1 0 0 1
手関節形成術 1 1 2 4
手の腱移行術 1 1 4 6
母指対立再建 1 0 0 1
伸筋腱形成術 1 0 0 1
手伸筋腱癒着剥離 1 0 0 1
MP関節観血的授動術 1 0 0 1
腱鞘内腫瘍切除 1 0 0 1
手指固定術 0 3 0 3
靭帯縫合 0 2 0 2
腱鞘切開術 0 1 1 2
筋肉内異物除去 0 1 0 1
母指の切断術 0 1 0 1
手掌腱膜切除術 0 0 2 2
部 位 行為名 2014年度
(件)
2015年度
(件)
2016年度
(件)
3年間合計
(件)
椎弓切除術 15 1 0 16
髄核摘出術(Love法) 4 11 5 20
腰椎固定術+骨移植 7 9 12 28
経皮経椎弓根的椎体生検術 1 0 0 1
椎弓形成術 2 2 0 4
骨髄穿刺 0 1 0 1
ルンバール 0 1 0 1
下肢 人工骨頭置換術(大腿骨) 61 46 90 197
直達牽引 15 13 2 30
THA(全股関節形成術) 25 28 15 68
アキレス腱縫合術 6 9 7 22
股関節脱臼徒手整復 3 1 3 7
人工股関節再置換術 5 0 1 6
大腿切断術 3 0 1 4
アキレス腱形成術 1 0 0 1
外骨腫切除術 0 1 1 2
大腿骨切り術 0 1 0 1
人工骨頭再置換術 0 1 0 1
下肢切断術 0 1 0 1
TKA(人工膝関節全置換術) 35 20 39 94
関節鏡下半月板切除術 10 11 3 24
滑膜切除術 4 4 1 9
人工膝関節再置換術 0 1 0 1
関節内不良肉芽掻爬 0 1 0 1
滑液包切除術 0 1 0 1
拇趾関節形成術 3 4 6 13
足趾切断術 1 1 0 2
足関節固定術 1 0 0 1
TAA(人工足関節置換術) 1 0 2 3
母趾関節形成術 1 1 1 3
足趾関節切除 0 1 0 1
外反症矯正手術 1 0 1 2
その他 腸腰筋膿瘍切開 排膿 ドレナージ 1 0 0 1

対象疾患と診療内容

頚椎前方除圧固定術

後縦靭帯骨化症に対する前方除圧固定術

  • 手 術 前

    脊椎管内に突出した後縦靭帯骨化を示すCT四肢自動運動不能がほぼ不能となり、救急受診された症例です。
  • 手 術 後

    後縦靭帯骨化は除去されて、腸骨からの骨移植が行われている。
  • 手 術 前

    第6・7頚椎レベルで、脊髄は前方から後縦靭帯骨化後方から黄色靭帯骨化により圧迫されていて、脊髄内には信号輝度変化を認める。
  • 手 術 後

  • 手 術 後 6ヶ月

    移植骨は癒合しました。

頚椎椎弓形成術

後縦靭帯骨化症に対する椎弓形成術

  • 手 術 前

    第3~5頚椎レベルの連続型の後縦靭帯骨化を認め、骨化の最下端部で脊髄内の損傷を示唆する信号輝度変化を認める。
  • 手 術 前

  • 手 術 後

    第3頚椎から第6頚椎までの棘突起縦割式脊柱管拡大術施行後、第7頚椎はドーム状形成を行っている。

骨粗鬆症を伴った胸腰椎破裂骨折

第12胸椎破裂骨折により、亀背変形を生じ、腰痛と神経根の障害による下腹部痛を訴え、歩行不能となっていた。

  • 手術前ミエロ

  • 手術前MRI

  • 手 術 後 1

    第12胸椎の脊椎短縮術を行い、亀背変形を矯正している。骨粗鬆症が著しく、今後の骨折による椎体変形を予測して、椎弓根スクリューは短縮した第12胸椎の上下、一椎体ずつにだけ用い、他はポリエチレンテープを椎弓下を通してロッドと固定している。
  • 手 術 後 2

    術後6ヶ月経過のレントゲン写真 手術部に疼痛なし。腰椎後弯角5°に改善(第11胸椎~第5腰椎)

骨粗鬆症性椎体骨折偽関節

第1腰椎椎体骨折偽関節で、第3腰椎も魚椎様変形をきたしていて歩行不能。
坐位5分が限界の79歳の女性。第1腰椎と第3腰椎の変形を、第1腰椎と第2腰椎での短縮により矯正。 手術後1ヶ月でT字杖歩行。術前(第12胸椎~第5腰椎)腰椎後弯角-18°
術後(第12胸椎~第5腰椎)腰椎後弯角+22°(40°の矯正)

  • 手 術 前(前 屈)

  • 手 術 前(後 屈)

  • 手術前MRI

  • 手術後MRI

人工股関節置換術

多発性骨端異形成症(股関節や膝関節など、関節周囲の骨の変形をきたす遺伝性疾患の症例)に対する人工股関節置換術です。左右とも股関節は変形性関節症を生じています。今回は、関節症の程度の重い右に対して手術を行った。

  • 手術前MRI

  • 手 術 前

  • 手 術 後

    手術の時に得た骨頭を用いて、臼蓋部に骨移植を行った上で、臼蓋コンポーネントを設置し、脱臼を防ぐために大腿骨頚部周囲の不要な骨切除を行った上で、大体骨コンポーネントを設置している。

人工股関節再置換術

  • 手 術 前

    他院で人工股関節置換術を施行された後にゆるみを生じて、歩行時痛を伴っていた症例です。
  • 手 術 後

    ゆるみを生じた人工関節を抜去し、同種骨移植を行って骨欠損を補い、人工関節を再度設置している。脚長不等は術前の5cmから2cmに改善した。

人工膝関節再置換術

  • 手 術 前(側 面)

    関節リウマチの症例で、他院で両側の人工膝関節置換術が行われていたが、右膝の人工関節はゆるみを生じて、骨欠損も進行していた。
  • 手 術 後(側 面)

    再置換術後のレントゲン写真
  • 手 術 前

  • 手 術 後

    再置換術後のレントゲン写真

上腕骨近位端骨折に対する肩の人工骨頭置換術

  • 手 術 前

    84歳女性 右上腕骨外科頚骨折、骨粗鬆症を合併していたため、人工骨頭置換術を施行した。
  • 手術後 外旋位 正面像

  • 手術後 挙上位 正面像

【関連リンク】 リウマチ科はこちら

医師紹介

  • 長島 賢二(ながしま けんじ)

    役職
    整形外科部長
    専門
    外傷、脊椎外科、リウマチ疾患、人工関節外科
    資格
    日本整形外科学会、人工関節外科学会
  • 山﨑 純司(やまざき じゅんじ)

    役職
    リウマチ科部長
    専門
    関節リウマチ、人工関節
    資格
    日本リウマチ学会専門医、日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医
  • 岩本 柾澄(いわもと まさきよ)

    役職
    整形外科医長
    専門
    外傷、脊椎外科
    資格
    日本整形外科学会専門医
  • 宮山 祐(みややま ゆう)

    役職
    整形外科医長
    資格
    日本整形外科学会専門医
  • 黒川 壽久(くろかわ としひさ)

    専門
    整形外科全般
    資格
    日本整形外科学会専門医
  • 蔵渕 智和(ぞうぶち ともかず)

    専門
    整形外科全般
    資格
    救急科専門医