消化器内科、消化器センター案内

セコメディック病院消化器内科、消化器センターでは食道・胃・十二指腸の検査・治療を行う上部消化管内視鏡検査、直腸・大腸の検査・治療を行う下部消化管内視鏡検査、肝臓・胆道・膵臓の検査・治療を行う内視鏡的逆行性胆道膵管造影検査などの内視鏡検査を実施しています(小腸内視鏡検査に関しては必要に応じて機器を業者より借用して実施します)。2017年にESDという消化管早期癌に対する内視鏡治療のエキスパートである東納重隆が着任し、内科医師、外科医師が協力して内視鏡治療をより積極的に実施します。

1.上部消化管内視鏡検査

食道・胃・十二指腸を観察し、病気の診断を行うとともに、食道静脈瘤や胃潰瘍の出血を止血したり、早期癌を切除したりします。通常の診断目的の内視鏡検査は5分から10分程度で終了します。以前の内視鏡検査の際に嘔吐反射が強くて苦しかった方に対しては経鼻内視鏡検査や鎮静剤を用いた内視鏡検査(眠っている間に検査を実施します)を積極的に実施しておりますので内視鏡検査を申し込まれる際にお申し出下さい。

胃癌の原因として有名になったピロリ菌の存在診断や除菌治療(菌を退治する治療)の前には内視鏡検査を実施することが必須条件となっております。人間ドックや検診でピロリ菌陽性と診断された場合にも除菌治療前に内視鏡検査を受ける必要があります。ピロリ菌の診断検査としては呼気試験、血液検査、尿検査、便検査など様々な方法が可能ですが、除菌治療の有無や内服薬の種類、食事の影響などを考慮してどの方法で診断するかを判断いたしますので、ピロリ菌の検査をご希望の場合には外来もしくは内視鏡検査の際にご相談ください。

早期胃癌、早期食道癌に対しては内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:endoscopic submucosal dissection)という内視鏡治療を実施しています。東納重隆医師は500例以上のESD治療を実施してきており、アスピリンやワーファリンなどの抗血栓薬を服用中の患者さんにおけるESDについても多くの学会発表、論文発表などを実施しています。アスピリンやプラビックスなどの抗血小板薬、ワーファリンやエリキュース、イグザレルト、リクシアナなどの抗凝固薬を服用しておられる方で内視鏡検査や治療を希望される場合には遠慮なく消化器内科の外来でご相談ください。

  • 胃 E S D

    胃体部(胃の中部)小弯に発見されたやや広範囲の早期胃癌。癌の範囲をわかりやすくするため、インジゴカルミンという青い色素を散布しています。
  • 胃 E S D

    粘膜下層剥離術専用の電気メスを用いて早期胃癌のすぐ下の層(粘膜下層)を剥離します。
  • 胃 E S D

    粘膜下層剥離術が終了したところ。大きな合併症はなく終了しました。
  • 胃 E S D

    最大径30mm程度の早期胃癌でしたが治癒切除されていました。
  • 胃 E S D

    治療の翌日の内視鏡所見。出血はなく、治療翌日夕より食事開始となりました。治療の6日後には退院されました。

2.下部消化管内視鏡検査

直腸から盲腸、小腸末端部までを観察し、診断と治療を行います。下部消化管の内視鏡検査のためには腸の中を洗浄して便を除く必要があるため、通常は腸管洗浄剤という液体の下剤を飲んでいただく必要があります。2016年度よりモビプレップという新しい薬剤を導入し、薬剤1ℓ+水500mlの服用で済む様になりました(味も改善されて飲みやすくなっています)。内視鏡検査そのものは5-10分程度で肛門から盲腸まで挿入し、観察しながら肛門まで抜いてきますので、開始から終了まで15-20分程度かかります。もともと腸が長い方や開腹手術をされたことがある方では挿入が非常に難しく、時間もかかることがありますので、必要に応じて鎮静剤を使用することもあります。また、以前の大腸内視鏡検査で痛みが強かった方には最初から鎮静剤を用いた大腸内視鏡検査を実施することも可能ですので、検査を申し込まれる際にお申し出下さい。

下部消化管内視鏡検査で最も多く診断され、治療を実施しているのがいわゆる大腸ポリープです。ポリープは大きく良性と悪性(癌)に分類されますが境界病変も多く、大きさ5mm以上のものは切除が必要といわれています。また、近年は側方進展型腫瘍(LST:lateral spreading tumor)と呼ばれる平たいポリープの発見が増加しており、通常のポリープ切除術では切除が困難となっています。このような通常のポリープ切除術が困難な腫瘍に対してもESDの手技を用いて切除を行っています。その他、結腸憩室出血の止血や炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)の診断、大腸腫瘍狭窄に対するステント留置なども実施しています。

最近は先に述べたような抗血栓薬(抗血小板薬、抗凝固薬)を服用中の方も多くおられますが、比較的小さな(φ10mm未満)のポリープでは、コールドポリペクトミーという手法を使用して抗血栓薬服用のまま日帰りでポリープを切除することも実施しています。

  • 大 腸 E S D

    大きさ30mm大の早期の直腸癌。癌の範囲をわかりやすくするためインジゴカルミンという青い色素を散布してあります。
  • 大 腸 E S D

    Dual knifeという粘膜下層剥離術専用の電気メスを用いて癌のすぐ下の層を剥離しています。大腸や直腸は消化管の壁が非常に薄いため、穿孔(腸壁に穴を開ける)させないように注意深く剥離を進めます。
  • 大 腸 E S D

    合併症を生じることなく、粘膜下層剥離が終了しました。
  • 大 腸 E S D

    早期癌でしたが治癒切除されていました。合併症を生じることなく、治療の翌日には退院されました。

3.内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP:endoscopic retrograde cholangio-pancreatography)

側視鏡という型の内視鏡を用いて胆道、膵管の出口(十二指腸乳頭といいます)に細いカテーテルという管を挿入し、胆道、膵管を造影する検査です。胆道結石や胆道腫瘍、膵臓腫瘍などの検査・治療目的で実施します。最も頻度の多い疾患は総胆管結石です。胆石が胆道に落下して胆道が閉塞すると胆管炎という炎症を生じますので右上腹部痛や黄疸、発熱などの症状を生じます。内視鏡的に胆道の出口を切開もしくは拡張して詰まっている結石を除去します。近年、多数の結石が存在する患者さんや巨大な結石を有する患者さんに対して大口径のバルーンを用いた乳頭拡張術(EPLBD:endoscopic papillary large balloon dilatation)という治療手技が開発され、当院でも適応のある患者さんに対して実施しています。これまでは多発結石や巨大結石の場合には胆管内で結石を破砕して小さな破片にしてから除去していましたので、なかなか1回の処置ですべての結石を除去することができず、数回の内視鏡処置を実施する必要がありました。そのため長期間の入院期間が必要になり、何度も内視鏡を挿入するため患者さんの苦痛も多かったと思われます。大口径バルーンによる乳頭拡張術(EPLBD)では1回の処置で破砕することなく総胆管結石を除去できるため、ほとんどの場合、1回のみで処置を終わらせることができ、入院期間も短くて済むという利点があります。ただし、胆管の出口である十二指腸乳頭部を大きく拡張してしまうため、出血や穿孔などの合併症を生じる危険性や術後の逆行性胆管炎を生じる可能性もあり、適応を良く考えて実施する必要があります。

また腫瘍などで胆道が閉塞して黄疸を生じた患者さんに対してはステント留置などの処置を実施しています。このような内視鏡的逆行性胆道膵管造影という内視鏡手技は非常に有効な内視鏡検査なのですが出血や急性膵炎、穿孔などの合併症も多い手技です。できる限り合併症を生じないように細心の注意を払って実施するよう心がけております。

医師紹介

  • 土屋 良成(つちや りょうせい)

    役職
    副院長/消化器内科部長
    専門
    消化器疾患、内科一般
    資格
    日本内科学会専門医
  • 東納 重隆(とうのう しげたか)

    役職
    副院長/消化器センター長
    専門
    消化器がん(食道・胃・大腸)、内視鏡治療、消化器内科一般
    資格
    元帝京大学ちば総合医療センター消化器内科病院教授・光学診療部部長、防衛医科大学校消化器内科非常勤講師
    医学博士、日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会学術評議員・関東地方会評議員、日本医師会認定産業医、肝臓学会会員
  • 志田 勝義(しだ かつよし)

    専門
    消化器内科一般、 上部下部消化管内視鏡診断
    資格
    日本内科学会認定医・総合内科専門医、 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、 日本消化器病学会専門医、 日本人間ドック学会専門医、 人間ドック健診情報管理指導士、 日本医師会認定産業医
  • 田中 耕太郎(たなか こうたろう)

    専門
    内科、消化器内科
    資格
    日本内科学会、 日本消化器病学会、 日本消化器内視鏡学会、 日本肝臓学会、 肝癌研究会
  • 正木 宏明(まさき ひろあき)

    専門
    消化器内科一般
    資格