ご挨拶

ガンマナイフ(Gamma knife)とは、読んで字のごとくγ(ガンマ)線を用い、周囲正常脳組織を傷つけることなく、まるで脳病変をナイフで切り取るがごとく根治せしめる治療法です。200個のコバルト60線源が、半円球状、かつ同心円状に配置され、それぞれから放出されたγ線が、丁度その中心に収束するよう設計されています。1990年4月より保険適用となっています。当院では2010年11月15日から、県内では初めて、国内では5台目となる最新式の装置(ガンマナイフパーフェクション)が稼動しております。そして、5年目に治療 1,000症例を達成しました。
【安全性】 ガンマナイフ本体には200個のコバルト60線源が半円球状に配置されており、患者様の頭部に装着されたコリメーターヘルメットの穴を通して、コバルト60から発生するγ(ガンマ)線が病巣部に集中照射されます。照射時に貫通する頭皮、骨、脳、血管、神経への影響は少なく、照射を受けた病巣のみが徐々に凝固・壊死します。
【正確性】 照射の誤差は±0.1mmと高精度であるため、重要な組織が密集している頭蓋内でも正常な組織に殆ど影響を与えずに治療することができます。

適応疾患

【脳腫瘍】
転移性脳腫瘍、聴神経腫瘍、髄膜腫、下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫、神経膠腫、三叉神経鞘腫、松果体腫瘍
【脳血管障害】
脳動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、血管腫
【機能的疾患】
三叉神経痛、パーキンソン病(健康保険適応外)、癌性疼痛(健康保険適応外)
【耳鼻科・眼科領域疾患】
眼の黒色腫、眼窩内腫瘍、鼻咽頭癌、副鼻腔腫瘍など
※病気の種類や状態、また病巣の大きさによって、ガンマナイフによる治療が適している場合と、開頭手術の方が適している場合とがありますので、総合的な判断が大切です。

ガンマナイフ

治療手順とガンマナイフ治療のメリット

治療手順

1.フレーム装着
局計測用の金属フレームを4本のピンで頭部に固定します。局所麻酔と静脈麻酔を使用することにより、無痛でピンを固定しています。
2.病巣の位置決定
MRI、CT、血管造影などを行い、病巣の位置を確認します。
3.治療計画
コンピュータを用いて、放射線量、照射範囲などを詳細に決めます。
4.照射
治療計画に基づいて正確に照射します。誤差は±0.1mmです。

ガンマナイフ治療のメリット

1.種々の合併症からの回避
開頭手術で問題となる感染症や合併症などの危険性がほとんどありません。又、全身麻酔が不要のため治療を受けられる患者様の枠が広がりました。高齢者の方でも安心です。
2.入院期間の短縮
入院は原則として2泊3日です。1日目・・・入院・治療前検査、2日目・・・ガンマナイフ治療、3日目・・・退院。術後、長期間のベッドでの安静を必要としなくなりました。
3.高い完全治癒率
脳動脈奇形に対するガンマナイフ治癒実績報告例では、2年以内の完治率が約80%で、聴神経腫瘍での成果は、腫瘍縮小や成長抑制が90%にも及びます。
4.社会的経済的利点
治療には健康保険が適応され、更に入院期間の短縮などで多くの経費を節減できます。

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診療実績

症 例 2013年度 2014年度 2015年度
脳腫瘍 335件 277件 310件
血管奇形 3件 7件 4件
三叉神経痛 1件 3件 3件

治療の効果

ガンマナイフは従来の外科療法では不可能と考えられてきた脳深部の小腫瘍やAVM(脳動静脈奇形)の治療に効果を発揮してきました。 また外科治療で切除されなかった病巣または再発した病巣の治療にその役割を果たしています。非侵襲性治療ですから、外科治療に耐えられない小児の患者様や年配の患者様にも適しています。

転移性脳腫瘍

  • 治療前

    転移性脳腫瘍前
  • 治療後

    転移性脳腫瘍後

頸静脈孔腫瘍

  • 治療前

    頸静脈孔腫瘍前
  • 治療後

    頸静脈孔腫瘍後

髄膜腫

  • 治療前

    髄膜腫前
  • 治療後

    髄膜腫後

聴神経腫瘍

  • 治療前

    聴神経腫瘍前
  • 治療後

    聴神経腫瘍後

脳動静脈奇形

  • 治療前

    脳動静脈奇形前
  • 治療後

    脳動静脈奇形後

患者様へメッセージ

ガンマナイフは脳深部の大切な機能を温存して病変部だけを選択的に治療することができる画期的な治療器機です。しかも短期間入院で、頭を切らずに局所麻酔で治療が可能であることから、小児や高齢者でも安全に施行することができます。また他の定位放射線治療装置と比べて治療精度も優れており、今回当センターで導入する最新式のガンマナイフパーフェクションにおいては0.1mm以下のきわめて高い精度で目標部位に一括大量照射を行うことができ、手術と同等の効果が得られます。したがって従来の放射線治療のような開頭手術の補助的治療にとどまらず、症例によっては頭蓋内疾患の治療の主役ともなりえます。対象疾患は脳腫瘍全般・脳血管奇形・三叉神経痛やパーキンソン病に伴う手のふるえ、など脳外科が扱う疾患の多くの分野にわたり、それぞれについてガンマナイフは主要な治療法の1つとして威力を発揮します。ガンマナイフ治療の適応決定に際しては、臨床症状・画像所見を慎重に検討した上で判断します。そのため症例によっては、従来の脳外科手術もしくは経過観察をお勧めすることもあります。患者さまにとって最良の結果を出すべく適応を十分検討した上でガンマナイフ治療を行っていきます。

医師紹介

  • 堀田 二郎(ほった じろう)

    役職
    ガンマナイフセンター長
    専門
    脳神経外科一般
    資格
    日本脳神経外科学会専門医、ガンマナイフ研究会、低位放射線治療学会

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